宅地または建物について、自ら売買や交換を業として行う、もしくは、他人の売買・交換・貸借の代理や媒介を業として行う場合は、宅地建物取引業免許(宅建取引業免許)が必要です。
免許がなくても行えるのは、自己物件の貸借のみです。
「業として行う」とは、事業として、不特定多数の人を対象に、その行為を反復または継続して行うことです。「資金が必要になったので、自分が所有する土地を友人に売る。」ような場合は、該当しません。
免許申請は個人でも法人でもできますが、色々な要件があり、審査に受からなければいけません。「免許を受けられない者」に該当する場合は、免許申請をしても許否されますし、免許取得後に欠格事由に該当することとなった場合、免許は取り消されますので注意して下さい。
「要件がたくさんあって複雑でよくわからない」「自分でやるのは不安」「忙しくて手続きに手間や時間を掛けることができない」といった方は、私共がお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談下さい。
宅地建物取引業免許申請
▼免許の種類
免許には以下の2種類があります。
(1) 都道府県知事免許: 1つの都道府県に事務所がある。
(2) 国土交通大臣免許: 2つ以上の都道府県に事務所がある。
▼申請者の商号または名称
免許申請は個人でも法人でもできますが、申請者の商号または名称には制限があります。
法令上使用が禁止されているものはもとより、○○協会、○○不動産センター、○○住宅センター等の、公的機関や指定流通機構などの名称と紛らわしいものも使用できませんので、事前に確認しておきましょう。
▼事務所について
宅地建物取引業免許では、事務所が非常に重要な意味を持っています。
宅地建物取引業者が商人の場合、本店(本社)または支店として登記されていなければいけません。
本店で宅建業を行わなくても、支店で行うのであれば、本店も宅建業の「事務所」となり、本店でも営業保証金の供託や専任の宅地建物取引士の設置が必要になります。
▼事務所の形態
宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、「事務所」として認識される程度の独立した形態を備えている必要があります。
一般の戸建て住宅の一部を事務所とする場合は、以下のような条件があります。
・住居の出入口の他に事務所専用の出入口があること
・居住部分とは壁ではっきり区切られていること
・内部が事務所としての形態を整えており、事務所としてのみ使用されていること
同一フロアーに他の法人等が同居している場合は、以下のような条件があります。
・それぞれの専用出入口があり、他社スペースを通らずに出入りできること
・高さ180cm以上のパーティション等固定式の間仕切りがあり、相互に独立していること
▼専任の宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)
一つの事務所において「業務に従事する者」5人に1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。
業法第50条第2項で定める案内所等については、少なくとも1名以上の専任の宅地建物取引士の設置が義務付けられています。
「宅地建物取引士」とは、宅地建物取引士(宅地建物取引主任者)資格試験に合格し、宅地建物取引士資格登録をし、宅地建物取引士証(取引主任者証)の交付を受けている宅地建物取引士のことです。
「専任の宅地建物取引士」とは、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事する宅地建物取引士を指します。
▼専任の宅地建物取引士の数が不足したら
2週間以内に補充等、必要な措置を取らなければいけません。
▼免許の有効期間
宅建取引業免許の有効期間は5年です。
引き続き宅建業を営む場合は、有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間に更新の手続きをする必要があります。
更新手続きをしなかった場合は、免許が失効となり、無免許で宅建業を営むと、罰則が科せられます。
▼申請手数料
・知事免許 新規 : 3万3千円 (登録免許税/現金)
・知事免許 更新 : 3万3千円 (手数料/現金)
・大臣免許 新規 : 9万円 (登録免許税/現金)
・大臣免許 更新 : 3万3千円 (手数料/収入印紙)
▼営業保証金の供託
新規で免許を受けたら、「営業保証金」を供託し、その供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、東京都知事に届出をしなければなりません。
この届出をした後でなければ、営業を開始することはできません。
供託額は下記の通りです。
・主たる事務所(本店) ⇒ 1,000万円
・従たる事務所(支店等)⇒ 1店につき500万円
▼保証協会への加入
弁済業務保証金分担金を支払って、国土交通大臣から指定を受けた社団法人である宅地建物取引業保証協会に加入をすれば、前記の営業保証金の供託をする必要はありません。
保証協会には以下の二つが指定されています。いずれか一方にし加入できません。
・(社)全国宅地建物取引業保証協会 東京本部
・(社)不動産保証協会 東京本部
弁済業務保証金分担金の納付額は下記の通りです。
・主たる事務所(本店) ⇒ 60万円
・従たる事務所(支店等)⇒ 1店につき30万円
(注)加入の際は、この他に加入金等が必要です。詳細は、各保証協会に直接お問い合わせ下さい。
宅地建物取引業免許の免許換え申請
▼「免許換え」とは
事務所の新設・移転・廃止等に伴い、都知事免許⇔他県知事免許または国土交通大臣免許に、宅建取引業免許の種類が変わることを指します。
免許換えの手続きの流れや申請手数料等は、その内容によって違いますので、事前に確認をして下さい。現在の免許に十分な有効期限があるかどうかも、忘れずに確認しておいて下さい。